距離
こんな事があった。
子ども達と公園に出かけた。
帰り道、声をかけるとそれまで関わりのなかった子達が手をつなぐ。
嬉しそうに手をつないでるその子達。
でもどうしても大人の都合でその子達のペアを解消し、違う子と手をつないでもらった。
元々手をつないでいた子の一人は怒ってへそをまげる。
後でごめんね、とつたえると「一度も話した事なかったんだけどね、手をつないで仲良くなったんだ。」と答えた。
ああ、そんな仲良くなり方があるのか。
私はもう、そんな感覚とっくに忘れてしまった気がするよ。
私たち大人は、どうしたって探り合いから始まる。
どんな人なのか、会話から、表情から、ファッションセンスから、清潔感から。様々なものを基準にして。今までの経験と擦り合わせて。
でも、そんな事仲良くなるのに必要ないのかもしれないと気付かされた。
経験がじゃまをする事って多々としてある。
生きていると辛い事なんて山ほどあって。
今まで作ってきた関係がいきなり崩れたり、大切にしていた物がまやかしだったかもしれないなんて事も沢山あった。
生きていくと心もどんどん複雑になっていくことなのかもしれないな。
良く言えば深みがでるということ。
そんな深みに、複雑さに
人間らしさを感じて人の魅力を感じたりするのだからなんとも言えないけれども。
でもコミュニケーションってもっとシンプルでいいんじゃないかと思ったんだ。
相手を信頼するとか
壁をつくらないとか。
当たり前でシンプルな事が難しかったりするんだ。
思えば、
デンマークにいった事だって、
フェスで円陣を組んで音楽を聞くことだって。
私の求めている瞬間ってそういう一瞬の深いつながりみたいなことなのかもしれないなあ。言語でわかりあうよりももっともっと深くて感覚的なところ。
繋がる手から、伝わる何かがあるのかもしれない。
子どもだからこそ伝わる言語があるのかもしれない。
子どもたちの無垢さに、いつも憧れを感じる。
人生をよくするヒントをもらっているようだ。
こういう時、保育士はいい仕事だと思う。