wall
デンマークに来て9ヵ月。
今の大学で勉強を始めて3ヵ月がたった今。
私は壁にぶち当たっています。
寮での一人暮らしをしている訳だけど、
一ヶ月住んでようやく外の鍵の閉め方を知り、
二ヶ月住んでようやく雨を防いでくれる駐輪場を知り。
三ヶ月で新しいシェアメイトに自己紹介をしはぐって、
と、なかなかいい調子だった私。
それでも大学の授業は楽しくて、パーティーや遊びにはあまり参加せず、周りから見たら地味だったかもしれないけれど、私なりに楽しく過ごしていた訳です。
でも、最後の大学のプロジェクトで心が折れてしまった。
やりたくない方法で進んでいくプロセス、
気の強いオランダ人のプロジェクトメンバー、
英語で情報がキャッチしきれず、ついていけない状況、
全てに負けてしまった。
今思えば、あの時こうしていれば、と状況をもっと緩和するとか自分の気持ちの落ち着かせどころがあったのかもしれない。
でもちょっとの後悔はどんどん積み重なり、
負担の大きい形でプロジェクトは終わってしまった。
自分に失望もしたし、
相手の悪いところを探して自分を正当化してみたりと
いろいろ考えてみたけれど、
どうすればいいのかもうさっぱりわからなくなっている。
向き合うのすら、しんどい作業なのだ。
問題なのは、これからどうしていくか。
もう起こってしまった事だから私が変えていけるのは未来でしかない。
信頼は地に落ち、発言をする事にもはや恐怖しか感じていない中で、グループで振り返りをしていかないといけないのである。
まさに地獄。
私は、すごく日本的な人間であるから周りの目を気にして、律儀であると思う。
この状況の中で、いかにやり過ごすか、いかに理由をつけて逃げるか。
という選択肢しかなかった。
これがまた、どっちを取ってもどう想像してもしんどいのだ。
9ヵ月目の留学で、私の心は磨り減ってしまっていて、
もうしんどい想いをし続ける事はできない。と途方に暮れていた。
そこで、デンマークのフォルケで学んだ 事をふと思い出す。
自分の気持ちに正直であることとか。
エネルギーの使い方。
やりたくない事はやらないとか。
考えてみれば、今までの人生、こういう事は多かった気がする。
どのコミュニティにも一人はいる、気の強い人。
その人たちにたくさん気を使って、エネルギーを割いてきた。
だからといってその使った分のエネルギー分得た物があったかと言われたら正直よく分からない。
その子たちと今関わっているかと思えばそうでもない。
この分のエネルギーを他の事に使えたらいいのではないかと思ったのだ。
他の人から見たら、
そんな事でくじけるのか、そんな事で逃げるのか。
と見えるのかもしれないけど、自分なりの、逃げるのでもなく、心の赴くままにやってみたいと思った。
でもやってみたらそれはそれでしんどい。
元々作ってきたもので、他人に気を使わないで自分の心の赴くままにするのは自分の文化や核に反するからだ。
そもそも人に気を使えない人間にもなりたくない。
こういう風に、物事にはメリットもデメリットもある。選択肢が増えた分、豊かではあるけど悩む事も多いのだ。
気づけば、デンマークでの私は、常に右に、左に揺さぶられ、自分自身が振り回されていた。
これでこそデンマーク。
答えはない。いつももやもや。
でもすごく人間らしい。
どうしたらいいか。一つ答えがあるとしたら一人で抱え込まない事な気がする。
正解のない事を深く考え、一人で答えを見つけていく作業はすごく冷たいけれども、たくさんの人に話を聞いてもらい、話を聞くとなるとまた状況は変わってくる。
時には自分を納得させてくれる事でもあるし、反発する事もある。
でも、
私は、こうなった時頼れる人がたくさんいて、話をしてくれる人がたくさんいる。
今回の事もみんなが私に復活の呪文をかけてくれる。
至極幸せ。
私は私のペースで。できる事をやっていきたいと考えている今なのです。